開始は6時半の予定であったが、30分ほど押した。もうこれも慣れっこである。おかげでか知らないが、この自由コンサートの初日の模様をダイジェスト版で見ることができた。このビデオがなかなかよかった。リアに始まり、ユン・ドヒョンバンド、チョ・ドンジン、アン・チファン、N.E.X.Tというラインナップ。リアとN.E.X.Tしか知らなかったが、ユン・ドヒョンとアン・チファンがよくてその翌日思わずCDを買ってしまったほどであった。ユン・ドヒョンの良さはあの低音。その低音が曲にうまく合っていた。

 それから、アン・チファン。私がずっと気になっていた曲、「ネガ マニル(僕が万一)」が流れてきた。その時ようやくこの曲の主が分かってうれしかった。彼も声がいい。そのゆったりとしたフォークのメロディーにあの声はうまくはまる。やはり歌手は声である。

 そんなわけで、始まる前からいい気分でコンサートは30分ほど遅れて始まった。まず、高麗大学のアマチュアバンドが前座。アリランを彼ら独自の編曲でパンクに仕上げていた。その後、まずはイスクラ。このバンドは知らなかった。何というか、ハードロックのバンドでした。聞いたことがなかったのと曲も知らないので、今一つだったが会場の一角では盛り上がっていた。ヴォーカルの兄ちゃんは頭を百万回くらい振っていた。ファンには人気のあるバンドなんだろう。

 その後、ブレッコル(ブラックホール)。これもハードロックというか、メタル系。これもメタル系。年はみんな30代だと思うが、高校生くらいの女の子のファンもいた。別に日本で言うビジュアル系ではないのだが。これは、メタルとはいえまだ聞きやすかった。しかし、音響に少し問題があってヴォーカルが少し聞こえにくかったりした。全体的に感じたが、結構音響が遊んでいて楽しかったのだが、遊び過ぎて次の曲に入ったときにヴォーカルがよく聞こえなかったりしたことがほかにもあった。

 続いて、トンムルウォン(動物園)。コンサートを通してそうだが、各出演者の合間には幕間として、ファンシネバンドが演奏した。ファンシネバンドとは私もよく知らないが、最近「チャンポン」という曲がヒットしている少しお笑い系のバンドである。参考までにファン・シネとは、現在一番の人気を得ているドラマ「シンデレラ」に出ている女優であるが、多分本人とは関係ないでしょう。コーラスのおねえちゃんがキュートでした。

 話を戻してトンムルウォン。彼らはここまでの2グループとは違い、フォークのグループであり、少し落ち着いた。私も「ノル サランハゲッソ(君を愛するよ)」くらいしか知らないが、昔からかなり人気があったらしく会場は大合唱になった。私も「ノル サランハゲッソ」では知っているところだけ大合唱した。このあたりから盛り上がってくる。やはり、生で聞くと違う。ふだんTVにはあまり出ないので、あまり聞かないがCDも聞いてみたくなった。

 続いて今日の目当ての一つ、Panic。出演陣を見て彼らだけ少し毛色が違う気がしたので、少し心配したが、いらぬ心配であった。ヴォーカルのイ・ジョクはちゃんと楽しませてくれた。「ウェンソンチャビ(左利き)」から始まり、「タルペンギ(かたつむり)」「UFO」ほかもう1曲歌ってくれた。「タルペンギ」は本来、キム・ジンピョのsaxfoneで始まるのだが、彼はイ・ジョクの後ろに座ったきり。やはり、彼は実はsaxfoneを弾けないのだろうかと思った。だがしかし、曲の最後でしっかりソロ。いやあ、感動的なシーンでした。やはり、彼らは大人気で客席にはオッパ部隊(オッパ、オッパと連呼する日本の一昔前の親衛隊のようなもの)も登場していた。当然、あの歌手の名前の入った画用紙で作ったプレートを持って。

 そして、トリはサムリム。さすが、年期の入ったいい舞台でした。「ウェ ウルゴインニ」で始まり、2曲目は「ギターロ オートバイルル タジャ(ギターでオートバイに乗ろう)」ここではさすがに燃えました。周りの韓国人よりも燃えましたね。サ〜イボ〜。このバンドはもう40代も半ばくらい、いやもっといっているか?の3人のバンドですが、ギター、ベース、ドラムのそれぞれが実にいい味を出している。特に、ドラマーのおっさん。どんなに激しくドラムをたたいても常に笑顔。本当に楽しそうだ。こういうおっさんの集まりって格好いいよなあ。私も昔のすごく人気があった頃はよく知らないが、それでも良さは分かる。遊び心もあるし。曲名を見れば分かるように。

 さらにその後「カジマオ」等で会場の熱気は頂点に。アンコールの最後には「ゲグジェンギ」で占めてくれた。いやあ、いいなあ、あの年でロックをやってそれでいて気取ったところが全くない。この力の抜け具合が今のサヌリムの良さではないだろうか?

 全体を振り返って見るとやはり最後の2組に尽きるかな。アン・チファンという歌手の存在も知ったし。非常に楽しく収穫の多かったコンサートだった。

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